こぼれ落ちるため息は贅沢だ

日々いろいろのこと。彼さんとのこと。わたしのこと。

本棚を眺めているのが好き

発光地帯 (中公文庫)

小説をまた書く習慣ができたのに本を読んでいなくて、彼さんとアニメや映画は見たりするのだけれど、これではいけないなと思っている。
アウトプットばかりになると不安定で弱い文章しか書けなくなる。
苦手な本も読もうと思って読んだ、川上未映子さんのエッセイが楽しかった。昔、芥川賞候補作だった作品は全く読めなかったのに、言葉遣いのとりこになってしまいそう。
 
彼さんの本棚にも、私が読んだことない本はたくさん並んでいる。
彼さんの尊敬すべきところは、世界の名作文学を幅広くちゃんと読んでいるところだ。それも、文芸と名のつく勉強をしていたわたしよりずっと。日常の何気ない会話の中で、それはふいにでてきて、わたしをどきりとさせる。例え話や思い出話や、テレビの中で出てきた一言に、ふいに差し込まれるその物語の印象を、本当は共有していたかったと思う。
名作文学は借りてばかり読んでいたのか、幾つかの引越しでの移り変わりか、彼さんの本棚にドストエフスキーやらトルストイやら太宰やらはもういなくて、いま残されているのは、新しく買った本たちと、気に入りの本たちだけ。
彼さんの気に入りの本棚にはいくつかの名作があって、純文学のベストセラーがあって、エンタメ小説もちらほらと。漫画もたくさん。
 
本棚を眺めているのが好き。
 
彼さんを形づくってきたものが見えるから。